交通事故のご相談を多く取り扱っていると、事故直後には生じていなかった症状が後から出てきたことに関するご相談がよくあります。
そこで、今回は、事故後に生じた症状に関する注意点についてお話しします。
事故から一定期間経過した後に生じた症状については、事故との因果関係の存否が問題になります。
自賠責保険では、事故から2週間以上経過した症状については、基本的には事故との因果関係を認めません。
たとえば、事故当初は首の痛みのみ生じていましたが、2週間経過した後に腰の痛みが生じた場合には、基本的には、腰の痛みとの因果関係は否定されます。
この2週間以内という基準は、基本的には、医療証拠との関係で把握されるため、たとえば、事故日に受診して、首の痛みのみ伝えて、その後、事故から3日後に腰の痛みが生じていたにもかかわらず、受診しないまま、事故から2週間経過した場合には、基本的には、腰の痛みとの因果関係が否定されます。
また、仮に2週間以内に受診した場合であっても、カルテなどの医療証拠に記載されていない場合には、因果関係が否定されることになります。
症状が新しく出現した場合には、できる限り早期に受診して、カルテなどに記載してもらうことが大切です。
医師に対する症状の伝え方としては、毎回症状をしっかりと伝えることが大切です。
後遺障害申請では、症状の一貫性、継続性が問題になることがありますが、その際に、カルテの記載において、症状が漏れている受診日があると、それを理由に、症状の一貫性、継続性が否定され、後遺障害として認定されないことがあります。
また、後遺障害申請までは至らないケースであっても、治療をしていく中で、症状を伝え忘れたために、治ったと認定されてしまうこともあります。
毎回症状をしっかり伝えることが大切です。
事故後に生じた症状については、できる限り早期の受診と適切な対応が必要になりますので、お悩みの方は、お早めに交通事故に詳しい弁護士に相談することをオススメします。