日々、交通事故に関する報道が多くありますが、その中でも、池袋母子死亡事故に関する報道がありましたので、お話ししたいと思います。
池袋母子死亡事故(池袋で2019年4月に発生した母子2人が死亡した交通事故)の損害賠償請求について、10月27日に約1億4600万円の賠償を命じる判決が言い渡されました。
約4年前に報道で事故を知り、なんとも言えない気持ちになったことを、昨日のことのように思い出します。
妻と子を、突然、失ってしまうということ、最後のお別れもできず失ってしまうこと、これからの未来が突然奪われてしまったこと、とても想像ができないことですが、それが起こってしまったご遺族の方は想像を絶する辛さだったと思います。
私も、交通事故を集中的に取り扱う弁護士として、死亡事故に携わることも多くありますが、ご遺族の方の気持ちを考えるといつも遺族の方にかけられる言葉が乏しく、自分にできることは何があるんだろうかと自問自答しながら、精一杯、弁護士として活動しています。
死亡事故はもちろん、事故によって高次脳機能障害になられてしまい生活が一変してしまった方、手足が不自由になり生活が一変してしまった方、様々な方からご依頼をいただきますが、その度に、自分にできることは何があるんだろうかと自問自答してしまいます。
弁護士の活動は、適切な賠償金を得ることはもちろんですが、何か被害者やご遺族の方の支えになれることは無いのかと考え、行動することも大切だと思っています。
約4年前に、死亡事故の現場に向かい、花束を添えさせていただきました。
その想いは、もちろん、亡くなられた方への想いもありますが、それだけでなく、ご遺族の方が、少しでも前を向いて生きてほしいという願いも込めてです。
今回の判決で、1つの区切りを迎えたかもしれませんが、ご遺族の方にとっては忘れられない事故であることに違いはありません。
交通事故に携わる弁護士として、ご遺族の方が、亡くなられた方の分も、精一杯、前向きに生きていくことを切に願っています。