日々、交通事故のご相談を対応していると、自転車に乗っているときに衝突され頭を路面に打ち付けた方やバイクで走行中に跳ねられ頭を路面に打ち付けた方など頭部を負傷している方が一定数いらっしゃいます。
そこで、今回は、交通事故で頭部を負傷した場合の注意点についてお話しします。
交通事故で頭部を負傷した場合には、できる限り早期に精密検査(CTやMRIなど)を受けることが大切です。
精密検査を受けて異常がなければ安心ですし、異常があるのであれば今後の治療方針に大きな影響を与えるため、いずれにしても精密検査を受けることが大切です。
医師は患者からの情報をもとに精密検査を受けるべきか否かを判断しますので、事故状況を説明して頭部を負傷していることを理解していただくことも大切です。
また、事故直後に検査を受け、異常は無かったたものの、事故後から事故前には無かった行動や言動がある場合には、継続的に脳神経外科を受診することが安全です。
びまん性軸索損傷など事故から時間が経過した後に脳損傷が画像上発見されるようなものもありますので、症状があるうちは継続的に受診し、適切なタイミングで精密検査を受けることが大切です。
頭部を負傷した場合に、高次脳機能障害になってしまう方もいらっしゃいますが、高次脳機能障害の症状として、たとえば、事故前には頭の回転がとても早かった方が平均程度になってしまった場合や事故前は優しい性格であった方がすぐ怒り出す性格になってしまった場合など、事故前の本人の状況を知らない医師では把握しにくい症状もあります。
主治医に症状を把握していただくためにも、ご家族の方が事故前と事故後の変化を適切な形で医師や看護師に伝えることが大切です。
高次脳機能障害の症状が治らなかった場合に、後遺障害等級認定申請を考える方もいらっしゃいます。
医師が作成する神経系統の障害に関する医学的意見書やご家族が作成する日常生活状況報告書の記載内容が適切なものでないと適切な後遺障害等級が認定されないことがあります。
頭部を負傷した場合には、様々な注意点がありますので、お悩みの方は交通事故に詳しい弁護士に相談してみることも選択肢の一つです。