第三者行為災害届について

交通事故で受傷した場合に、健康保険や労災保険を使用するときには、第三者行為災害届(名称は提出先の健康保険組合などによって異なります)を提出する必要があります。
交通事故のご相談の中で、第三者行為災害届の提出方法や記載事項について質問されることがありますので、今回は、第三者行為災害届についてお話したいと思います。

第三者行為災害届の提出が必要となる理由としては、主に、交通事故など第三者が治療費等の賠償金を負担すべき義務がある場合において、労災保険や健康保険組合が負担した治療費等の金額について、過失割合に応じて求償するために、相手方の情報や相手方の自賠責保険・任意保険などの情報の記載を求めるものです。
そのため、第三者行為災害届に記載する情報としては、ある程度正確に求償できる程度に事故の状況などを含む事故の詳細や相手方の情報、自賠責保険会社・任意保険会社などの情報を記載すれば受理されることが多いです。

また、併せて、交通事故証明書の提出を求められますが、提出先によって、原本を求められる場合と写しで足りる場合があります。

相手方が記載する誓約書(念書という題名のこともあります)については、相手方から拒否される場合もありますが、その場合には、提出先に確認したうえで、事情を記載して提出することで足りることがあります。

第三者行為災害届の提出時期については、速やかに提出することが望ましいですが、事情と提出先によっては、2か月程度待ってもらえることもあります。
提出先と連携しながら進めていくほうが安全です。
第三者行為災害届の提出前であっても、健康保険や労災保険を使用して治療を受けることはできますので、受診前に提出先に確認しておくのがおすすめです。

なお、労災保険については、通院先の医療機関によって、第三者行為災害届以外の提出書類の様式が異なることがありますので、勤務先や労働基準監督署に確認しながら進めていくほうが安心です。

交通事故で健康保険や労災保険を使用する場合に、提出書類や提出方法で悩まれる方も多いので、お悩みの方は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。