私の取り扱う交通事故案件の中で過失割合についてのご相談も多くあります。
そこで、今回は過失割合についてお話ししたいと思います。
過失が生じる事故の場合、ご自身の過失分は自己負担になります。
たとえば、過失割合が当方40対相手方60、治療費100万円、通院交通費1万円、慰謝料99万円、全損害額合計200万円の場合には、200万円×60%(40%は自己負担)=120万円が賠償金として認められることになります。
上記賠償金は、治療費を含む金額になりますので、保険会社が一括対応で各医療機関に治療費を支払っている場合には、120万円-治療費100万円=20万円が支払われるべき賠償金になります(その他支払われた金額があればその金額も差し引かれることになります)。
もっとも、過失割合が生じる事案において、人身傷害特約(ご自身の加入する保険で、ご自身のお怪我に関する損害を補償する保険)が使える場合であれば、人身傷害特約によって、ご自身の過失による負担分が概ね支払われることがあります。
また、自賠責保険では、傷害分(死亡と後遺障害を除く)の場合、ご自身の過失が7割以上ない限りは、自賠責保険で定める上限(傷害分は120万円)と基準内において、過失割合によって減額がされません。
過失割合が当方50対相手方50、通院期間90日、実通院日数45日、治療費39万円、通院交通費1万円、休業損害なし、完治した事案(令和2年4月1日以降に発生した事故)で計算していきます。
令和2年4月1日以降に発生した事故の自賠責基準の慰謝料は、①総治療期間×4300円、または、②実治療日数×2×4300円、です(令和2年3月31日以前の事故の場合、日額は4200円です)。
そうすると、①総治療期間90日×4300円=38万7000円、②実通院日数45日×2×4300=38万7000円、となりますので、自賠責基準の慰謝料は、38万7000円になります。
そうすると、治療費39万円+通院交通費1万円+慰謝料38万7000円=78万7000円、が自賠責保険から支払われることになります。
このように、過失が生じる事故の場合には、様々考慮すべき事柄がありますので、お悩みの方は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。