弁護士法人心東京駅法律事務所所属の弁護士の宮城です。
今回は,交通事故における進路変更事案の過失割合についてお話しします。
直進車と進路変更車が衝突した場合の基本過失割合は,直進車30対進路変更車70です(判例タイムズ38【153図】)。
裁判例の集積から,原則的な過失割合(基本過失割合)があり,これをベースに個別具体的な修正事情を加味して,過失割合が判断されます。
基本過失割合や修正要素については,判例タイムズ38に記載がありますので,ご興味のある方は是非ご覧ください。
なお,直進車に関する修正要素は,ゼブラゾーン進行(+10~20)・15km以上の速度違反(+10)・30km以上の速度違反(+20)・その他の著しい過失(+10)・その他の重過失(+20)・初心者マーク等(-10)である一方,進路変更車に関する修正要素は,進路変更禁止場所(-20)・合図なし(-20)・その他の著しい過失(-10)・重過失(-20)になります(+の場合には,直進車の過失が増え,-の場合には直進車の過失が減ります)。
たとえば,進路変更車がウインカーを出さなかった場合には,直進車の過失が-20になるため,直進車10対進路変更車90になります。
進路変更事案の一般的な説明は以上のとおりですが,進路変更車の進路変更前の車線が渋滞しており,突然,進路変更を行った事案について,過失割合が直進車0対進路変更車100になった事案が存在します(東京地判平成24年8月31日など)。
このように,過失割合については事案によって,様々な判断がされているため,弁護士に相談することをお勧めします。
過失割合でお悩みの方はお気軽に弁護士法人心東京駅法律事務所にご相談ください。