よくご相談の中で「ムチウチ症で後遺障害申請を行ったものの,非該当でした。このまま諦めるしかないのでしょうか?」というご質問があります。
これに対しては,「異議申立という方法があります。」とお答えしています。
そこで,今回は,ムチウチ症の後遺障害に関する異議申立についてお話しします。
1 ムチウチ症の後遺障害等級認定のポイント
ムチウチ症で後遺障害等級認定の判断は,①受傷態様,②治療内容,③通院頻度,④治療期間,などを総合的に考慮して行われます。
そもそも,軽微な受傷態様と考えられる事案(クリープ現象による追突事故や自動車同士のミラー接触事案など)は後遺障害等級認定を受けることが難しいです。
また,整形外科のみ通院している方が,月に1回程度しか通院していない事案も,後遺障害等級認定を受けることが難しいです。
2 ムチウチ症の後遺障害に関する異議申立のポイント
初回の後遺障害等級認定申請は事故日から症状固定日までの治療状況や通院頻度を考慮します。
もっとも,症状固定後の通院は,一般的に,考慮していません。
そのため,初回の後遺障害申請の結果が非該当であっても,症状固定後も定期的に通院を継続している場合には,異議申立を行うことにより,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。
したがって,症状固定後も定期的に通院しているかがポイントになります。
これに対して,軽微な受傷態様であることを理由に,後遺障害等級認定申請が非該当になった事案の場合には,通院を継続していたとしても,異議申立により後遺障害等級認 定を受けられる可能性は低いです。
このように,事案によって考慮すべきポイントが異なります。
異議申立を検討している方は一度後遺障害に詳しい弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。