令和2年4月1日以降発生した交通事故の自賠責基準について

東京も緊急事態宣言が解除されましたが,いまだに新型コロナの感染者は増え続けていますので不要不急の外出は控えている最近です。
さて,今回は,令和2年4月1日以降に発生した交通事故の自賠責基準が,従来の自賠責基準と金額が異なるため,傷害による損害(後遺障害による損害と死亡による損害は含みません。)の自賠責基準について,お話いたします。

以下では,「従来」が平成22年4月1日以降令和2年3月31日までに発生した交通事故に適用される自賠責基準をいい,「基準時後」が令和2年4月1日以降に発生した交通事故に適用される自賠責基準をいいます。
入院看護料(近親者) 1日につき 従来4100円→基準時後4200円
通院看護料(近親者) 1日につき 従来2050円→基準時後2100円
休業損害 1日につき 従来5700円→基準時後6100円
慰謝料 1日につき 従来4200円→基準時後4300円

このように,従来の自賠責基準と基準時後の自賠責基準では金額が異なります。

もっとも,以前からブログでお伝えしているとおり,自賠責基準と弁護士基準(裁判基準)では,金額が大きく異なることが多いです。

たとえば,弁護士基準(裁判基準)では,近親者の入院看護料は1日につき6500円,近親者の通院看護料は1日につき3300円,主婦の休業損害は日額約1万円,慰謝料は,骨折などの場合,基本的に,通院期間30日で28万円,通院期間90日で73万円,通院期間180日で116万円,他覚所見のないむちうち症などの場合,基本的に,通院期間30日で19万円,通院期間90日で53万円,通院期間180日で89万円,となります(事案の内容などによって金額が変動する可能性はあります)。

自賠責基準の支払金額は増額したものの,いまだに弁護士基準(裁判基準)との差が大きい事案も多いです。

交通事故で適正な補償を受けられるか不安な方,賠償金の金額でお悩みの方は,一度,交通事故に精通した弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。