弁護士業務のなかで、契約書のチェックをお願いされることがあります。
その際、弁護士の目線から、いくつか大切にしているポイントがあるので、お話ししたいと思います。
まずは、今回の契約の目的(契約によって達成したい物事)を確認しています。
契約書のリーガルチェックでよくあることですが、「相手方から契約書が送られてきたので、リーガルチェックをお願いします」といった内容でお願いされることがありますが、契約の目的によっては、作成するべき契約書の種類が誤っている、もしくは、不適切なことがあります。
たとえば、売買契約書を確認してほしいといった依頼があったとして、その売買契約の目的を聞いてみると、実は、賃貸借契約の方が適していたり、その他の契約が適していることなどがあります。
このように、契約の目的によっては、そもそも、契約書のリーガルチェックまで至らないこともあります。
そのため、まずは、契約の目的を確認するようにしています。
次に、取引内容や事業内容を確認しています。
そもそも、相談者の方と相手方がどのような話し合いを行っていて、どのような内容や条件で契約をしようとしているのかが曖昧なことがあり、この場合には、リーガルチェックまで至らないこともあります。
この場合には、契約の目的から考えて、必要な事項を確認し、場合によっては、再度の話し合いで条件をつめてもらい、その上で作成された契約書をチェックすることもあります。
契約の目的と取引内容が確定している場合には、契約の法的性質を検討します。
売買契約、賃貸借契約、委任契約など様々な契約の種類がありますが、その内どれに当てはまるのか、どの契約に近いのか、などを考えて、法的に重要な事項を確認します。
契約の法的性質を誤ると結論が異なることがあるため、注意して検討します。
最後に、時系列に即してケースを想定して、問題を洗い出します。
大きく分けると、契約前、契約時、契約後から契約終了まで、契約終了後、の順で問題点がないか洗い出していきます。
この段階で、問題がある場合には、相談者の方に伝えた上で相談しすることが多いです。
契約書が相手方作成のものであれば、契約書の修正が容易ではないこともあります。
そのため、契約書の修正を行うか、もしくは、リスクはあるがこのままにするか、もしくは、リスクを減らせる方法がある場合にはその方法をとるかなどを相談して決めていくことが多いです。
このように、契約書のリーガルチェックも、単に、書面上のチェックをすれば足りるものではないことが多いです。
契約書のリーガルチェックは、契約書の作成やチェックに精通した弁護士に相談や依頼することをお勧めします。