任意保険会社から調査会社に事故状況などの調査を依頼すると言われた場合

1 調査会社が事故状況などの調査を行う理由
 調査会社が事故状況などの調査を行う理由は様々ありますが、その中でも多いのは、①事故と負傷との因果関係に疑義があるケース、②過失割合に争いのあるケース、③事故と負傷箇所との整合(因果関係)に疑義があるケース、④治療内容などに疑義があるケース、があります。
2 事故と負傷との因果関係に疑義があるケースについて
 任意保険会社が損害保険料率算出機構(調査事務所)に対して、今回の事故で負傷することが認められるかを確認する事前認定のために調査されている場合があります。
 ミラー同士の接触事故、クリープ現象による追突事故、駐車場内の逆突事故、物損が軽微である事故などが因果関係を否定されやすい傾向にあります。
 特に気をつけなければならないのは、こちら側の物損が軽微であるケースであっても相手方車両の損傷が相当程度生じている場合、相手方車両の損傷の程度が分かる資料が損害保険料率算出機構に提出されていないことがあることです。
 この場合には、相手方車両の損傷の程度が分かる資料を提出してもらうことが大切です。
3 事故と負傷箇所との整合(因果関係)に疑義があるケース
 たとえば、追突事故で、車両の損傷がそれほど大きく無いにもかかわらず、首や腰だけでなく、右足や右手首などを痛めた場合に、保険会社が、今回の事故で右足や右手首を痛めることについて疑いを持つことがあります。
 この場合には、右足や右手首の受傷機転(怪我をした原因)をしっかりと伝えることが大切です(たとえば、右足でブレーキを踏んでいたところ追突され、足に負荷がかかり負傷した場合にはそのことを伝えることや右手でハンドルを握っていて追突され右手首をひねった場合にはそのことを伝えることなどが考えられます)。
4 不安になったら弁護士に相談を
 交通事故に関して調査会社から調査の話が出るなど、今後について不安になられましたら、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。